19世紀から20世紀半ばにかけての石油を取り巻く状況は、生産だけでなく、消費側にも石油普及を増加させるような技術革新が続きました。それは内燃機関の動力利用です。
19世紀末の自動車の商業実用化、20世紀初めの飛行機の発明は、ガソリンエンジンと切り離しては考えられません。船舶も重油をボイラーの燃料にするようになりました。
石油自体は世界の多くの地域に存在しますが、大量生産できる油田は少なく、発見が困難なため、石油産地は地理的に偏っていました。戦車、軍用機、軍艦などの燃料需要もあって、20世紀半ばから後半にかけて、石油需要は世界規模で膨れ上がり、それは死活的な戦略資源となりました。
第二次大戦後、石油の新たな用途として、既に戦前に登場した化学繊維やプラスチックが、あらゆる工業製品の素材として利用されるようになりました。また、発電所の燃料としても石油が利用されるようになりました。
戦後しばらくして、中東に大規模な油田が発見されます。中東は優れた油田が多いだけでなく、人口が少なく現地消費量が限られているため、今日まで世界最大の石油輸出地域となりました。
石油の探査には莫大な経費と高い技術が必要となりますが、成功時の見返りもまた莫大です。必然的に石油産業では企業の巨大化が進みました。中東などの独自に採掘する技術と資本を持たない国では、巨大資本を持った欧米の少数の石油会社に独占採掘権を売り渡します。これによって石油開発の集中化はさらに進み、石油メジャーと言われる巨大な多国籍企業が誕生しました。
石油の大量産出によって安価な石油はエネルギー源の主力となり、エネルギー革命と呼ばれました。
しかし1970年代に資源ナショナリズムが強まると、石油を国有化する国が相次ぎます。1973年から1974年には、第四次中東戦争でアラブ石油輸出国機構がイスラエル支持国への石油輸出を削減する動きをみせ、オイルショックと世界的な不況をもたらしました。
近年は、北海やメキシコ湾など世界各地で石油が採掘されるようになり、石油の戦略性は相対的には低下しています。石油の重要性は低下しなくても、供給はかつてほど脆弱ではないからです。ただし、価格変動が世界景気に影響を与えるという面はまだあります。
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